ゆり

グラン・ブルー/オリジナル・バージョンのゆりのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

千切れそうに切なかった。陸の上では生きていけず、海の中でこそようやく空気を得たように生き生きとした表情を見せるけれども、人間である彼は海とひとつにはなりきれない。
そんなジャックの、海にも陸にも属せないどこか宙ぶらりんで居場所のない存在感と、それゆえいつもまとっていた青色の悲しみが美しかった。
今にも消えてしまいそうだからこそ輝いて幸せだった三人の日々が、キラキラ光る海辺の映像と頭の中で重なりよく印象に残っている。
(ジャックの生き方は、いしいしんじ著「ぶらんこ乗り」に出てくる弟によく似ているなと思った。)
ゆり

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