Remi

100歳の少年と12通の手紙のRemiのレビュー・感想・評価

100歳の少年と12通の手紙(2009年製作の映画)
4.6

12日間で人生を経験し、人生を悟り、精一杯生きた少年の話。


年を重ねれば重ねるほど、言葉や表面的なことに振り回されてしまう気がする。
子どもの方は、“よく知らない”が故に、表情や声など、五感で感じるので、本質や真実の理解が早いように感じる。
オスカーは、とっくに死を悟っていたし、「幸せとは、毎日初めて見るように世界を見つめること」だと、わかった。



そして、どんな自分でも両親に愛して欲しかったオスカーは、どんな色のペギーも愛していると言った。
その言葉が、とても、とても心に刺さった。
求めることは容易いが、求めているものと同じものを人に与えるのは難しい。



死が怖かったのはオスカーだけではなく、病気や病院が怖かったローズもだった。本当の愛が欲しかったのも。
ローズがオスカーに愛を教え、ローズもまたオスカーから愛を受け取った。



年は違うが同じようなことを最近経験した。
死に直面する者と家族は、オスカーたちとは異なって、最期まで問題を乗り越えられないこともある。
そういう、本音を語れずに最期が忍び寄る状況のなかで、ある親族が、
「この世界で終わりじゃなく、あの世で続きができるから。また次の場所で仲直りできると思えばいいんだよ」
と、言っていた。


この映画は悲しくもハッピーエンドで終わるが、
きっと人生バッドエンドで締めくくる人も少なくないのだと思う。
例え自分が、誰かが、バッドエンドで締めくくることになっても。続きに進むための世界と思って
、未知の世界を信じたい。
Remi

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