覚悟したつもりでも、あまりにも重たく。
物語はある女性(マギー)が老いたトレーナー(フランキー)に弟子入りを志願し、プロボクサーとして登り詰めていくものが軸になっている。
しかしマギーのつらい生い立ちや家族問題、赦し、そして人生を全うする意味を問うような複雑かつ考えさせられる要素が盛り込まれる。
次第に深まっていく師弟関係はもはや親子よりもそれに近いものがあり、フランキーが彼女に与えたリングネームがそれを示している。
ヒラリー・スワンクはシーンが変われば違う顔を見せる素晴らしい役者さんだった。
当初の素人ボクサーっぽさ、強くなってからの表情、愛情を求める健気な笑顔、そして鍛え上げられた身体。
その中でも闘志に燃える眼は一貫して変わらなかった。
彼女は彼女の人生を生きたのだろう。
モーガン・フリーマンも本当に良い味を出していた。あの雰囲気は彼にしか出せないし、彼以外務まらない役柄だったとまで思う。
すごく苦しくてやるせなくて胸にずっと残る作品だ。