すとんこ

レスラーのすとんこのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
5.0
DVD所有

80年代に一世風靡した名レスラー・ランディ“ザ・ラム”ロビンソン!
今ではすっかりメジャーマットから退き、地方のインディマットで活躍する毎日。
妻子には去られ、トレーラーハウスの家賃も滞りぎみな困窮生活。
激闘の日々のため身体はボロボロ、遂にドクターストップがかかった彼がとった決断とは?って話☆

本編で描かれるプロレスラーの“リアル”に驚かされる!

ランディ演じるミッキー・ロークのレスラー“らしさ”にはため息が出るほどのすばらしさ☆
その他出演のレスラー役の方たちは、わたくしには分かりませんでしたが、中には本職の方もいたのではないでしょうか(もしくは全員が本職?)、スゴくリアリティがありました☆

劇中、数回の試合シーンがあるのですが、通常ルールからデスマッチ形式のものまで本当にプロレスをよく知っている描かれ方がされていました☆

あの傑作ドキュメンタリー「ビヨンド・ザ・マット」を観ているような感覚、そして“ミスター高橋本”で暴露されたプロレスの内幕の数々がリング上、バックヤードで繰り広げられます。

試合以外のシーンも素晴らしく、地獄のファンイベントの模様やホームセンターで使える凶器を物色する姿、プライベートのド底辺な日常などプロレスラーの悲喜交々が(実際に見たわけではないですが)リアルさを感じさせます。

そしてわたくしが特に注目したのが、主人公・ランディが“フィニッシュムーヴ(必殺技)”として使用する“ラム・ジャム”!!
これはなんの編鉄もないトップロープからの“ダイビング・ダブル・エルボー・ドロップ”なのですが、これが本作の“らしさ”の真骨頂であると言っても過言ではありません。
大技・危険技偏重主義の日本マットと違って、アメリカマットではこのようないわゆる“地味技”に大仰な名前をつけて必殺技とすることを好む傾向にあることを鋭く描写している点が激しく好感度大なわけです!!

華やかな表舞台から去った男の生き様は演ずるミッキー・ロークともクロスしますし、父と子の互いに不器用な悲しい交流、中年の男女の生々しい恋愛模様など濃厚すぎて胃もたれ必死なドラマパートも見所☆

虚構と現実に揺さぶりをかけてくるような、リアルなプロレス観戦と共通する楽しみ方が出来る、そしてプロレスファンじゃない方にも超ドススメな一本(* ̄ー ̄)
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