もにぐろ

レスラーのもにぐろのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
4.3
プロレスファンの自分が見ても、非常に誠実な作品という印象を持った。下品なプロレスムック本にありがちな「業界の裏側を暴露する!」といった調子ではなく、レスラーに対するリスペクトが前提にあり、業界の内実に迫っているところが良い。

ランディは決して悪い人間ではない。むしろ優しい人間ではある。しかし、見栄っ張りで、一時の感情に流されてついうっかり一番大事な人を傷つけてしまう。こんなつもりじゃなかった、と後悔した時にはもう手遅れ。根っから不器用で詰めが甘い。

全てを失ったランディ。しかし、プロレスファンだけは彼を必要としてくれる。弱小プロレス団体に熱心に通う連中もランディと同じ、厄介な問題を抱えた奴らばかりなわけ。そんな奴らが「たぎり(by中邑真輔)」を求めて会場につめかけるのだ。

ランディがそんな連中をほっとけるわけがない。精神も肉体も瀕死状態(比喩表現ではなくマジて死にそう)の中、彼は闘い続ける。ファンの前でだけ、彼は「最強」になる。いや、ならなければならないのだ。

ランディの行動原理は、理屈では否定したくなる、が…心情的には…うーん…わかるよ!!ランディ!仕方ないよな!おまえかっけえよ!クソー!身につまされるぅぅぅ人生のバカヤロー!!泣
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