3Dメガネ

レスラーの3Dメガネのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
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『レスラー』
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【輝ける場所】
かつての栄光は過ぎ去り、体力の限界が近付いたレスラー。
その道一本に人生を捧げていた漢は
家族を犠牲にして生きてきた。
プロレスが無くなってしまった人生。
人生において輝きを放った場所を失えば
なんと味気ない人生が待ち受けているだろうか。
プロレス以外の人生を放棄してきた男は
突如襲い来る現実と対峙できなかった。
身体の限界を知りつつ、それでも精神的な
癒しを求め
彼はリングに吸い寄せられて行く。
例え命を削ったとしても。
そこにしか、生きている意味がない。
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【表現】
これは1人の男の栄光と孤独を追体験するかのように
カメラが彼を離さない。
控室からリングに上がるまで。
リングに上がって戦う姿。
スーパーマーケットで働く姿。
そして再びリングに上がる姿。
至近距離にカメラを構え、追体験させる。
リングの痛みも、喪失も、再燃も。
その背中から痛いほど伝わる。
そして彼の置かれている孤独という境遇が
身を持って伝えられていく。
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【評価】
素晴らしい作品。
1人の英雄の孤独と栄光を見せつけられる。
自身の限界を認識しながら、自分の居場所は
リング上にしかないことも理解している。
身体は悲鳴を上げるが、精神は充足され
生きている実感としてスクリーンに映し出される。
生命を犠牲にしても、譲れなかったモノの為に戦う彼の姿に涙する。
不器用が故の生き様。
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