半兵衛

ホーボー・ウィズ・ショットガンの半兵衛のレビュー・感想・評価

3.5
近未来や架空の国といった設定を使わず民度の低い暴力的な悪党に支配された街を具現化するありえない世界観があまりにも荒唐無稽すぎて楽しくなるし、彼らを取り締まるはずの警察も悪事に荷担している様はリアルというより『濡れた荒野を走れ』みたいにマンガテイストのため清々しさすら感じる。

だからこそ無茶苦茶な悪党ばかりの街にあらわれたホームレス(ルトガー)が彼らの所業に怒りを募らせ、あることをきっかけにキレてショットガンを手にして暴れまわる姿はひたすら爽快で敵のあらゆる部位が破壊され悶える描写が気持ちよくなってくる。ショットガンによるチ○コ破壊シーンは隆慶一郎の「死ぬことと見つけたり」や東映の70年代アクションみたいで溜飲が下がり妙な感動を覚えた。

敵側も冒頭の首チョンパをはじめ無茶苦茶すぎる暴力で暴れまわるのが最高だし、そんな彼らの暴力があるから主人公によるグラインドハウスショーが更に盛り上がる。また主人公と関わりを持った売春婦のヒロインも主人公の正義心や過剰な暴力に触発され武器を手に暴れまわる展開も見ている人の血をたぎらせる。

悪人のボスと主人公が相対する終盤は予想通りだが、そこに警察が加わるのはちょっと斬新かも。

ちなみに途中で登場する謎の甲冑をつけた二人組の殺し屋があまりにも荒唐無稽すぎてヒーローものの怪人のように思えてくる、登場シーンで巨大蛸と格闘しているのはガイラへのオマージュ?あとヒロインが悪党のボスに対して破壊された片腕に武器を刺して攻撃するのはライダーマン(向こうは硫酸で溶かされたけど)みたいでテンションが上がった。
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