マーティンルイス

ディレクターズカット ブレードランナー 最終版のマーティンルイスのレビュー・感想・評価

4.9
リドリー•スコット監督が、自らの意図通りに再編集したSF映画の金字塔🎬

ダークな世界観!
死に対する恐怖と人間性とは何かを描いたストーリー展開!!
レプリカントの排除やプリスとの出会により変化する感情!!!
テクノとオーケストラ楽器が組み合わさった近未来的な音楽!!!!
レプリカントの居所を探るミステリー要素!
様々な魅力に満ちた今作。

中でも、人間とレプリカントの対比が見事!
仲間を大切にし、生きることに希望を見出そうとするレプリカントたちは、常に悲壮感に満ちている。特にロイは、どうにかして生きる方法を見つけるべく手を尽くす姿や、人間の惨さを目の当たりにした時の怒りなど、とても人間らしく観ていて苦しい。
それとは対照的に、機械的に彼らを排除するブレードランナー。今作の3年後を描いた『〜ブラックアウト』では、人間達がレプリカントを処刑する様が描かれている。常に差別を行い、何者でもコマとして扱う人間の醜悪さも今作では感じられた。そして、デッカードが彼らを殺すごとに、人間らしさを追求していく苦悩が伝わってくる。

それから、デッカードのユニコーンの夢には様々な考えが渦巻く。ユニコーンとは神秘的な生き物だが、あくまで想像上の生き物。
人間の幻想や創造性の脆さを描いているのだろうか?それとも、ラストの折り紙やガフの発言によって、デッカードがレプリカントであるかを疑わせるための伏線なのか?
そんな妄想が膨らむ点も今作に魅了されるポイントの一つ!

作品の随所で感じられる美しさと奥深いテーマ性に、衝撃を受ける作品っ!
マーティンルイス

マーティンルイス