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抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-のmikuのレビュー・感想・評価

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「死刑囚は逃げた、あるいは風は己の望むところに吹く」真面目な顔をした男が脱獄に向けて作業をしている。地味で手のかかる作業を延々と。目的のためにただひたむきに、奇妙なほどストイックに。これほどまでに生きることへの希求が強いのに、感情の昂りも一切表現されない。これってブレッソンをそのままお話にしたみたいな作品だな。音楽は排除され、音がないということを強く意識づけられた。気付くと異音に対する不安を、フォンテーヌと同じように感じているような気がする。ずっと地味な描写なのに、なんでだか面白いんだなあ。
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