抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-の作品情報・感想・評価

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-1956年製作の映画)

UN CONDAMNE A MORT S'EST ECHAPPE OU LE VENT SOUFFLE OU IL VEUT

製作国:

上映時間:100分

ジャンル:

4.1

「抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-」に投稿された感想・評価

Momo

Momoの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ほんっっっとにハラハラドキドキ

音楽が全然ないから、最後に音楽がブワッと流れてきた時のインパクトがかなり大きい

「燃ゆる女の肖像」でヘロイーズが全然外部の音楽を聞いたことがなかった描写のように、ずっと自然の音や風の音、足音しか聞いていないと聴覚がかなり敏感になっている
そこにやってくる突然の音楽よ
断食後の久しぶりのご飯みたいにびっくりする

角で守衛を倒すシーンだったかな、
Tenetの冒頭の拷問シーンを思い出した
電車の音で拷問が一切見えず聞こえず、だからこそ想像力が働いてしまって余計ドキドキする

もうあまりにドキドキしすぎて、映画の残り時間を確認しながら見てしまった最後の30分
「あと5分だから流石にここで見つかって、とかないよね?!?」
「うわー壁は越えたけどここで悲劇のフランス映画、後ろからバーンって撃たれたりする?!?」とか頭の中がうるさくてかなわなかったぜ

監督のロベールブレッソンも第二次世界大戦の間に捕まったことがあるらしい


演出がミニマルにされているせいか、みんなの感想も短めで冴え渡っているすごい
えり子

えり子の感想・評価

3.9
原題は長いけど、邦題は短い。
今のフランス映画はそっけない原題で、長い邦題がつく。逆になった。
ブレッソン、シンプルの極致です。
車内のシーン、独房での生活。少年との会話。
現実、こんなに簡素にはできないでしょう。
昔、映画雑誌でこの作品のスナップ写真が載っていた。
魅力的でした。
手のひらで転がる死を握りしめ、男はこの社会秩序からの逸脱を決意する。

ブレッソンのこうした提喩法は、やはり凄まじい。『たぶん悪魔が』同様、手のなかに、人生や世界といった壮大かつ深甚なスケールを収めてしまう。小粒ながらも大傑作。
心太

心太の感想・評価

4.0
重厚でリアリティに溢れた一篇。派手さは無いし、淡々しているのだが、変に怖さを出していないのも評価に値する。
ブレッソンの演出が冴えわたる。

感情を抑えて、細かい事実をたんたんと積み重ねる描写が秀逸。
冒頭の車の後部座席から逃げ出すシーンも、車外へとカメラは移動せず、捕まって元の席に戻るまでずっと車内だけを映し続けるという、ある意味手抜きなんだけど、見せない描写が好きだ。こういうシーンは沢山あって、仲間が銃殺されるところも良かった。

また、ナチに対する怒りだとか自身の思想とかアイデンティティなどがほとんど無くて、いかにここから出るかということだけに集中しているので、ゲームのようにシンプルだ。

何せ刑務所の独房が舞台なので、ずーっと狭い世界になっているのに飽きがこないのは演出の妙だろう。
葉月

葉月の感想・評価

4.0
観ていると次第に自分は主人公の姉か恋人なんじゃないかと思い始めて、彼の先行きが不安で仕方なくなり、途中からはいよいよ自分も一緒に投獄されてる感覚になり「成功しないと絶対許さない」と怒りすら抱き始めた。それほどまでに終始カメラは主人公に肉薄していた。
気が狂いそうな環境の中、黙々と繰り広げられる塵を積むような作業。張り詰めた映像とサウンドは私を否応なく彼の独房に引きずり込み、共に脱獄しなければ逃してくれることはなかった。
シンプルな話を描き方だけで力強いメッセージに仕立て上げるブレッソン監督の凄さというか執念。
戦争の不条理さを訴えた監督の偉大さに比べて、結局最後は「いやー脱獄って本当に大変ですね」と庶民的感想しか出てこない自分が少し悲しかった。
daichi

daichiの感想・評価

-
"私は飾らず
 それ自体を提示する"
ロベール・ブレッソン
ロベールブレッソン作品。まぁまぁ面白かったです。自分は「穴」という脱獄映画の最高傑作を先に観てしまっていたので、どうしてもそれと比べてしまって劣っちゃうかなぁと思った。観る順番が逆だったら評価も変わっていたと思います。ただ、どことなく静けさがあるブレッソンの作風は大好きですね。本当は全部観たいんだけどレンタルされてないし、買うのも高いからなかなか全部は観れそうにないのが悔しい。ていうか、ブレッソンとかベルイマンとかは映画史に語り継がれる偉大な人物なんだから全部レンタルされていないのがおかしい。しょうもない作品ばっかりレンタルしてないでこういう偉大な監督たちの作品からレンタル開始していってほしいと切に願います。
一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
ロベール・ブレッソン監督作。

二次大戦時、投獄されたレジスタンスの青年が脱獄を試みる姿を淡々と描く。

到底脱出不可能に思える独房が抱える唯一の弱点の発見、他の囚人との接触及び情報交換・物資入手、そして決死の脱獄シーン。終始地味な映像が続きながらも、実話ゆえのリアリティがひしひしと伝わってくるのだ。
息を潜め敵兵の動向を窺う場面では、観ている側も思わず息を殺してしまうほど緊張感に包まれる。

地道な作業の継続と静寂こそが、脱獄が本来有する性質だ。本作は派手さこそないものの、脱獄の真の様相と、一人の男の覚悟と生への飽くなき執着を目撃できる。
初ロベールブレッソン
Eテレ深夜2時の脱獄講座として放送できそうな作品。
無駄が排除されたコンパクトな映画、文学に例えると川端康成的な感じw
私の大好きな『穴』とは違い、タイトル通り手記形式で進んでいく。先述した通り、過剰な演出と無駄が少なく、淡々とした作りになっている。
ブレッソン監督はめちゃくちゃすごい映像表現をする人だと思っていたので、手記形式のモノローグ主体だったのは少し残念に感じてしまった。
ただライティングなどで圧倒的な技量が感じられ、飽きることはなかった。
なのでブレッソン監督の他の作品も見たいと思う。
>|

あなたにおすすめの記事