チブ夫

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-のチブ夫のレビュー・感想・評価

4.4
観ていて神経に直接作用してくるような感覚、まるで観る側の集中の糸を締めたり緩めたりするナットを握られているような、そんな働きかけをしてくる作品。

やり過ぎなくらい無駄が削ぎ落とされた映像、構成。しかしながらモチーフとなった手記そのものの重みを感じる、とにかく慎重な展開。
脱獄モノとはいえそこにエンターテイメントなど一切なく、あるのは究極のリアリティだけ。そして物語が進むに連れて垣間見えてくる希望。当事者のみが知るはずの息も詰まるような緊張感をリアルに体感させられるラスト20分。

ラストまではとにかくシンプルな運び。しかしそこにすら監督の並々ならぬ感性を感じてならない。
チブ夫

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