ロングスリーパー

ザ・ロイヤル・テネンバウムズのロングスリーパーのレビュー・感想・評価

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ウェスアンダーソンの映画はとにかく映像全部がかわいい。

登場人物はみんな困った不器用な人たちで(エセル、ヘンリーとかはまともだけど)、描き方によっては鬱々としそうだけど愛おしくてかわいくてオシャレだった。さすがウェスアンダーソン。邦画だったら叫びあって家族崩壊!!みたいになりそう。
他の作品もそうだけど、今回も本に書かれていることとしてメタ化されている。分かり合えない(極端に言うと)悲劇を、かわいさで喜劇っぽくしているのもある意味メタ的と言えるだろう。

I need help.を最後ちゃんと言えたのもよかった。

ただ、マーゴは客体化された、メールゲーズによって形成されたキャラクターだと思った。なぜか性的で、何を考えてるか分からなくて、容姿が良く、感情を出したのは男のために涙を流した一度だけ。男同士が女を巡って争う、みたいな構図が何回か出てきたのも嫌だった。女は男を惑わし狂わすファムファタールとして立ち位置が固定されてしまっていた。
ロイヤルおじいちゃんが孫2人と遊ぶシーンは微笑ましくもあり、悪さを男同士で一緒にするという、ホモソーシャルとトキシックマスキュリニティを幼少期から植え付ける最悪な行為でもあった。

あとは、みんな全然謝らないから、自分は普段謝りすぎなのかなとかも考えた。

最初のHey Judeはmake it better 、つまり病んでたみんなが立ち直っていく予言?

同じ俳優起用し続けるのも世界観統一にきっと作用してるね