JTKの映画メモ

お嬢さん乾杯!のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

お嬢さん乾杯!(1949年製作の映画)
4.5
めちゃ良かった。
木下恵介監督作品を何本か観てきて、恥ずかしながらやっとわかった。この人も同時代の黒澤、小津、溝口と並ぶ映画の天才だわ。
脚本も演出も木下恵介だが、筋立ても画も抜群にいいんだな。頗る映画的。音楽もその使い方も抜群にいい。

ほんで、やはりBL。(微笑)
男前佐田啓二が主人公の無骨成金佐野周二を「アニキアニキ」と慕うが、実の兄弟でもないのに同居しとるし、ゴロウちゃんの結婚には怒って反対するし、何気にいちゃいちゃするし、ウインクし合うし、まあ微笑ましい。
今の時代なら木下恵介もこっちをメインにしとると思うが、そうじゃないところがいいんだな。「太陽がいっぱい」「アラビアのロレンス」同様、わかる人がわかればいい。
表向きは身分の違う男女の優れた恋愛コメディだけど、わしは見逃さんよ。(笑)

原節子さん同じ人間だと思えないくらい綺麗。

あと、黒澤の「八月の狂詩曲」の原爆おばあちゃん役の村瀬幸子が出てて、40年以上の隔たりがあるが面影あったよ。