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東京エマニエル夫人のtunicのレビュー・感想・評価

東京エマニエル夫人(1975年製作の映画)
5.0
パリでの暮らしはモノクローム。鏡に残したルージュの伝言だけが鮮やかなピンク。ああもう素敵すぎる。アバンチュールは東京で。出迎えの織田さんが運転のオープンカー、女だらけのヘルスクラブ、宙づりになったロープウェイ、馬上での3P。田口久美さんの行くところ次から次へとセックスのチャンスに事欠かない。ほんと全編が映像だけで中身ゼロのイメージポルノで嬉しくなる。ホルターネックドレスが世界一似合う久美さんがパンイチで着るラガーシャツ。なすりつけられた泥さえもオシャレにみえる。裸に長いフリンジのチョーカーだけというスタイルも素敵。若い女の子の鈴の飾りがついたニットのパンツも可愛い~。庄司さんのオーバーオールは可愛いらしすぎてむしろずる~い。

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浜野佐知「好きなおばさん 疼いてしょうがない」
☆☆☆☆☆

この日のロマンは熟女3本立てで、東京エマニエル夫人の前にみた。これは辻真亜子版「ブロークン・フラワーズ」または「舞踏会の手帖」とでも言うべき作品。真亜子さんが昔のBFのもとを訪れるときに携えるのは手帖じゃなくてチン拓だけど。客からおばさん扱いされるのにキレた定食屋のおばさんがホステス時代に関係をもった相手と10年ぶりに再会することで青春をとり戻そうとする。「私にもイキイキと過ごした時代があったと感じたいのよ」と、チン拓を愛おしそうに眺めながら言う真亜子さん。これはミッドライフクライシスのお話。こちらにとってもほんと他人事じゃない。気づけば途中から完全に真亜子さんを応援している。男の職場をアポなし訪問するときに着るのは、ド派手なピンキー&ダイアン風のボディコンスーツ。それにあわせたエレガントな白い帽子は田口久美さんとお揃い。チン拓アップデートが無事に完了し、過去の男たちと違って年老いたありのままの自分を愛してくれる若い恋人をゲットした真亜子さんだが、恋人からはもう必要ないと言われたチン拓アルバムをこっそり抱えながら「やっぱり思い出は捨てられないのよね」。もうこんなの泣くしかない。
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