FumiKawaguchi

北京ヴァイオリンのFumiKawaguchiのレビュー・感想・評価

北京ヴァイオリン(2002年製作の映画)
4.8
後半出てくる、この親子の関係性が意外でした。田舎に住む普通のマジメな父。そして天才バイオリニストの息子。父は息子の才能のために、慣れない都会で彼を売り込み、異常なまでに人生をかける。でも結局その異常なまでの情熱のワケは、映画の流れの中で息子の生い立ちを知ると、少しずつ紐解かれていく。北京での出会い。この親子に関わることでの人の心の変化。これがまたうまく親子の関係に絡んでいて、胸を打つんです。激しい情熱を秘めたバイオリンの音色でありながら、淡々としていて、またそれが登場人物の心をうまく映し出しています。映像は全体的に暗めだし、主役の男の子もあまり表情がないんだけど、だからこそこの映画の良さを引き出しているのかな。人のつながりって、一番大切なのはやっぱり心。そして、音楽に一番必要なものも心なんだなって思い起こさせてくれる作品です。
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