ハッサン

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのハッサンのレビュー・感想・評価

5.0
飛行機で観た。

親しくなりかけた人に自分を知られて幻滅されるのが怖くて、人と関係を深めたり継続させることが出来ないウィルに対して、ショーンが、
「(死んだ)最愛の妻は緊張するとおならをしてしまう特異体質だった」「寝ている間に彼女はよくおならをしていたんだ」「亡くなって2年経つけど、時間が経ったときに思い出すのはそんな変な癖や仕草、小さいことばかりなんだ」と話すシーンがある。

誰かと出会って「この人と私はきっと親しくなるだろう(親しくなりたい)」と予感めいたものを感じるとき、相手は自分にとって完璧な人間に思える。しかし実際には完璧な人間なんていないし、自分もまた完璧ではない。共に過ごす時間が増えるほど、お互いのだらしない面や情けない面、臆病な面もときには見えてしまう。
けどそれは近付かないと見えない相手の隠れた一面であり、ときには驚いたり幻滅したりすることがあったとしても、見方を変えれば自分だけに見せるとてもチャーミングな一面かもしれない。
大切なのは関係を継続させることだ。一時は幻滅したとしてもまた会って笑えるような時間を作ること。そういう風に何年もかけてゆっくりと人と付き合っていけたらと思った。