あ

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのあのレビュー・感想・評価

3.7
すごく綺麗に収まっている印象でした。

マット・デイモンとロビン・ウィリアムズの掛け合いは面白かったですけど、「普通の人々」を観た後だと、ウィルが天才である必要性をあまり感じませんでした。

というよりも、ウィルが天才でなかった場合を考えた時、特に面白みを感じないと言う方が正しいかもしれません。主人公が特別であることから逃れられない弱さというか、教科書的な人生観を否定する割には教科書的な矛盾に、いかにも頭のいいおぼっちゃんが作った映画感を感じてしまいました。

ウィルが、虐待により感情を否定されてきたことで、全ての刺激に攻撃で応えるしかなくなっている物凄くリアルな描写はとても印象的でしたが、それすらもしっかりとリサーチして描かれているような感じがして、やっぱりなんか突然できてしまったような傑作に比べると、いかにもハリウッド的に狙ってできた傑作感の臭みを感じてしまいます。

ショーシャンクが副頭取要素ありきで希望を語っている矛盾と似ているかもしれません。結局は運じゃないかと言われれば、顔を赤らめて「穿った見方をするな」と言い出しそうな余裕のなさを感じました。運が全てだと虚しいから、特別な物語を求める虚しさ...普通でよいなんて本当は思ってないんじゃないですか...?ショーシャンクよりも普通にアルカトラズみたいなのが観たいんですが...

腰を落とした寄りの画面が、自然と水辺や部屋の中の対話に隔たりをなくしていた演出は、あまり狙った感じがしなくてよかったです。
あ