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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

4.0

旅立ち🎬

ストーリーは深い心の傷を負った天才青年と同じく失意の中にいた精神分析医がお互いにあらたな旅立ちをする姿を描いた作品でした。誰もが悲しみやトラウマ・愛や友情などの悩みがあります。今作は思春期のティーンエージャーには胸を打つ作品です。才能とはきっかけに過ぎず、その才能を伸ばしてくれるのは人との出会いであり、そして運です。運というのは、自分で生み出すことは難しく、大概は自分から手にするのではなく他から運んでくれます。人はそれぞれ様々な環境下にあり、その影響を受けて生きています。そして残念なことに、努力しなくて済む環境にいればいるほど、その影響は悪い方向へ導きます。チャッキー、モーガン、ビリー達といるようにウィルは幼少期の虐待のトラウマから、人を信用していません。特に大人は絶対に信じていません。信じられないという思い込みが、子どもっぽいチャッキーたちとの絆をより深くしました。ウィルはそこから抜け出せないし、なにより抜け出したくない。なぜなら一人ぼっちになるのは嫌だからです。人に拒まれるのが怖いからです。その小さな世界から彼は一歩も抜け出せない。その現象として、人を愛し抜くことを知らない、大人の話を聞けない、友達に批判的なことを言えないと彼は恋人ができても、形上の友達がいても、手を差し伸べる大人が現れても出来ないづくしなのです。

私たちは自分で作ってしまった小さな世界の中で、苦しみ、悩み、悶々としています。しかし、その小さな世界から踏み出せば、世界はどこまでも広がっています。旅立つきっかけと勇気さえ作れば、いつだってできる。これがこの作品の訴えかけてくるメッセージだと思いました。
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