このレビューはネタバレを含みます
ランボー教授が「才能のある人間が、才能を社会のために使わないのは悪だ」といって、嫌がるウィルに社会貢献させようとする。
ウィルは社会貢献自体に興味はなさそうだけれども、大学の清掃員を職に選んだことから、単に自分の身を守るために学んでいるのではなく、本当に学問への関心があり、結果的にはランボー教授が薦めた通りの道を選ぶ。
理由こそ違えど、結果的に二人の望みが合致することが、実生活でもよく見られることで、僕はとても共感できました。
単なる、良いこと、悪いことの対立ではない。企業へ入ることで、今ままで楽しかった生活は変わってしまうし、自分の才能から逃げている面もある。彼女との喧嘩も、一方が悪いわけではない。自分の境遇や、その境遇で植え付けられた不安を隠したい気持ち、どうしても人に愛され続けると自分を信頼できない葛藤。それに直面してこじれる彼女との関係。
自分の中のあらゆる要素と戦って、あらゆる選択は成される、人生の複雑さを描きつつも、そんな社会を生き抜く私たちに希望を与える映画でした。大好きです。