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シェルブールの雨傘のReoのレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
3.8
フランスを空想させる音楽に乗せた、儚い恋物語。
初恋をした相手が運命だと感じる人であっても、結ばれるとは限らない。偶然が重なり合って、お互いの幸せに繋がる、そういった揺れ動く恋もある。世の中に異性は山ほどいるが、その中から人生のパートナーを選ぶ方が困難である。もしかしたら、趣味や思考が違うが、運命の相手かもしれない。そんな偶然もあると感じられた作品だった。

個人的には、女性の身勝手さや思い込みが無ければ、後味を残すことなく、2人の夢は実ったであろうと感じたが、仕方のない事とも感じてしまった。やはり、人生は思い通りに進むとは限らない。中学生の時に思い描いた、初恋の人と僕は結婚をするんだという目先の恋を第3者目線で見ているようだった。

ミシェル・ルグランの音楽は、やはり聴いていて、心地よい。ジャズベースであり、またクラシック要素も感じられる。フランス、シェルブールの風景に合わせた音楽が、見事にハマっていた。そして、セリフを音に乗せていき、ストーリーが進んでいくという今までに観たことのない作品で、新鮮であった。それから、フランスの風景に混じった建物の色合いは流石の一言だった。場面や時期を分けて、物語が進んでいくのが、ララランドを彷彿させた。
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