くるんぱ

シェルブールの雨傘のくるんぱのレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
4.7
特筆すべきは一にも二にも色使いの美しさでしょう。ジュヌヴィエーヴのドレスやギーのシャツやタイの色合いが、雨傘店の壁紙やインテリアに溶け込む。心模様の変化によって主たる色も移ろう。計算され尽くした画が心地よい。
ストーリーが進むにつれ、ビビッドだった青春の色が次第に失われていきます。白銀の世界、モノトーンの洋服、燻んだ色合いの髪飾り。それぞれが過去を抱え「幸せ」を奥歯で噛み締めながら生きていくことを選んでいきます。大人になるというのは、えてしてそういうことなのかもしれません。ミシェル・ルグランの物悲しいメロディと相まって、右脳が痺れます。

それにしてもマドレーヌ役のエレン・ファルナーが最高に可愛らしい。何度も画面を止めて唸ってしまった(笑)
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