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柳生武芸帳のmitakosamaのレビュー・感想・評価

柳生武芸帳(1961年製作の映画)
3.3
東映YouTubeにて。柳生武芸帳は東宝でも三船主演で製作しているが、やはりこの近衛十四郎の十兵衛バージョンの方が馴染み深い感じ。元祖に対する本家みたいな映画だと言える。
そもそも原作では霞の多三郎が主役であり、東宝版の方が原作に忠実とのこと。でもやっぱり近衛十兵衛の迫力に軍配が上がるわ。調べたらこの時の近衛十四郎が47歳だって。貫禄あるなー。

柳生心陰流の秘伝であり天下をひっくり返すような内容といわれる柳生武芸帳を巡り、いくつかのグループによる争奪戦が行われる物語。
◎先ずはお取り潰しになった龍造寺家の姫と家臣。武芸帳を持っており再興を目論んでいる。家臣は山城新伍だ。
◎続いて武芸帳を奪い、柳生家の地位を奪わんとする疋田陰流の山田浮月斎と、本来の主人公・霞の多三郎(品川隆二)
◎そして柳生但馬守率いる柳生。十兵衛は武芸帳の内容を知らない。
◎更に狂言回し的に現れる清姫は実は永井信濃守(永井尚政)の妹。十兵衛と良い仲に。
清姫は花園ひろみが、信濃守は里見浩太朗が演じる。

武芸帳の内容は…家康の江戸幕府設立時に倒幕の動きを探るために、実は公儀隠密だった柳生家がスパイとして潜入捜査していたというもの。この内容が明るみに出れば討幕派の詳細と共に、柳生が隠密だったことがバレてしまう。

大久保彦左衛門(堺俊二)らの計らいで龍造寺家とも和解。疋田陰流との戦いに挑む十兵衛。

チャンバラの名手近衛十四郎だが、今作では90年代香港映画の様なワイヤーアクションなどが拝める。十兵衛と敵忍者との異次元バトルを表現したかったのだろうが、普通に十四郎が殺陣を打った方が格好良い。

彦左衛門を含め、泥棒などコメディリリースも多く、登場人物・団体も多いのでテンポがとても良い。
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