すとんこ

ノルウェイの森のすとんこのレビュー・感想・評価

ノルウェイの森(2010年製作の映画)
3.5
“文学脳”のないわたくしが徒手空拳で必死に解釈した結果のレビューですので不快な方はスルーでお願いします・・・

当然、原作は未読です・・・( ̄▽ ̄;)
(わたくしにとって“村上春樹”作品は「1Q84」を読んだ程度、しかも“BOOK2”まで・・・)

60年代末期の学生運動華やかなりし時代、大きな喪失を経験した女を男が支えようとするも叶わないって話☆

登場人物はだいたい5人!
主人公のちょっぴり無神経な「僕」・ワタナベ☆
幼なじみ同士の“プラトニックセックス”なカップル・キズキ&直子☆
オレ・ジナルな価値観のオーナー・永沢さん☆
背伸びしつつ奔放な女子を演じてワタナベの気を引く、介護苦労人・緑☆

愛する男・キズキの思いに応えて性交を試みるも、直子の心とは裏腹に身体が反応しない(濡れない)。
キズキにとってそれが自分の愛を受け入れられないことと判断して自殺!
そのことによって直子は、自分自身への嫌悪感と無念感に押し潰されてしまう。
それから三年後に主人公・ワタナベと偶然出会い、すんなり性交が成功(濡れた!処女喪失!)!
その直後、無神経なワタナベの興味本位の質問
「なんでキズキとセックスしなかったの?」
で遂に直子は精神崩壊、サナトリウムに入院となる・・・
その後何度かワタナベと直子は会うようになり心を通わせていくが、性交は失敗(やっぱり濡れない!)する。
どうやら直子は愛する男とは性交できない体質らしい・・・
そんな自分を気に病んでとった直子の最後の行動が・・・

う~ん・・・なんか他に方法があったように思いますが(この時代はローションとか無かったのかな?)、そんな無粋なことは文学作品に言う気はありません。
この手の作品を鑑賞するときのわたくしなりの“作法”として身に付けたのが、感情移入や共感といった類いの見方はせず、ただ画面で起こることを受入れ、人間観察的に鑑賞すること。

すると初見時は「クソツマンネー、意味不明な映画だなぁ」と思った本作ですが、今回はなかなか楽しめました☆

閉塞した狭量な視野の学生時代において、彼らのとった行動や発した言葉が、うっすらと理解できるように感じました。

そして、止まった時間を“生きる”死者と、流れる時間に“生きる”生者とのコントラストが浮き彫りになった点が素晴らしく思えました☆

恐らく原作ファンの方には不評であろう本作、でも話題作だから知っておきたいけど原作読む時間も無いしダリぃと思っている方にオススメな一本(* ̄ー ̄)
すとんこ

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