はちべー

酔いがさめたら、うちに帰ろう。のはちべーのレビュー・感想・評価

3.8
アルコール依存症がどんな病気なのか。
酒に逃げる。弱い人がなるイメージがあったが、そんな単純なものではなく、依存症の怖さを改めて知った。

「地獄を見てる人と、地獄の中で生活してる人のどちらが苦しいか」作品中の男性医師が戦場の話をしているときに使った言葉は患者とその家族そのものだ。
依存症の中でも末期の克服は壮絶だったに違いない。帰りたい場所があったから、彼は頑張れた。その場所を作ったのは元妻役の永作さん。彼女の静かな演技の中に、彼への愛を感じた。いつも冷静な態度だったのは心の奥にある弱い心を隠すためだったのでは。

主人公が入院する病院での出来事が、たんたんと描かれているところが良い。特に患者と医者との距離をリアルに感じ、女医役を演じた高田聖子がとても良い雰囲気をまとっていた。

2012/2/20
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