しんや

酔いがさめたら、うちに帰ろう。のしんやのレビュー・感想・評価

4.5
誇り高く生きよう

何でしょうね、感動した
アルコール依存症の戦場カメラマン。
酔っていなければ子煩悩の優しいお父さん。
酒でいかれている時は、妻を痛めつける。
とうとう精神病院に入院し、本気で依存症から抜け出そうとする。
この入院時の様子が実に面白かった。
同じように入院している他の患者たち、
食事や治療の様子。
淡々と描かれているが、過剰な盛り上がりがない分、何でこの人はこんな風になっちゃったんだろう?とか考える余地をくれる。
家庭環境、トラウマ、挫折、遺伝、どれも原因であって、どれもが決定的じゃなく、ごく普通の人が嵌ってしまうのが他人事では無く近い分だけ怖い。

妻の立場としては、離婚しても見離すことが出来ない気持ちもよく分かる。
ろくでもないけど、どこか憎めない夫を浅野忠信は素晴らしく演じていたと思う。
ある意味浅野忠信を堪能する作品だとも思う。

感動で泣くといった作品ではないが、人間の弱さ、愚かさに優しくなれて観賞後はどこか爽やか。
しんや

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