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ランボー 最後の戦場のabdmのレビュー・感想・評価

ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)
4.5
民族浄化とか女子供も虐殺とかそういうフレーズは字を見るだけで恐ろしいが、想像する以上の地獄絵図が目の前に。
今作は冒頭でいきなり虐殺シーンを見せられるのだが、それがまあトラウマもの。
マジで全然寝れなかった。
『シンドラーのリスト』の無差別ランダムユダヤ人殺し、『アポカリプト』の他民族奇襲シーン、『ザ・レイド』の冒頭の処刑するシーン、そして『プライベート・ライアン』の冒頭30分に匹敵する恐ろしさ。

銃を持たずに虐殺されている民族の元へ行き、医療を施す団体って物凄く素晴らしい事だし、その大義と勇気も尊敬していますが、そんな倫理など存在しないいわば野生の世界。野蛮で残酷。ヤコペッティの世界。
それを象徴するように全てを無下にし、日常が壊される。

ランボーの言っていることが全て正しかった!
今回もランボーさんマジカッケェェで幾度と訪れる危機を防ぐのだが、現実にはランボーなんざいない。
全ての危機は悲劇に繋がり、拉致された男は皮を剥かれ豚の餌に。女はレイプされ殺されるか売られるか。そして子供は抵抗むなしく殺されるか洗脳され少年兵へ。
そんな世界が現実だし、誰にでもどこにいようとも起こりうる事。

一番怖いのはホラーのモンスターでもエイリアンでもなく、それらを象徴する現実のなにか。
直視したくないけど無視できないからホラーを観る日々に、ひさびさにドシンと来るような残虐映画を見せられた!
二度と見たくないが見てよかった映画リスト入り確定の傑作。
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