青山

椿姫の青山のレビュー・感想・評価

椿姫(1937年製作の映画)
3.6

パリの社交界で華やかな暮らしを送る女性マルグリット。しかし実は病弱で借金を抱えている彼女は金持ちのバルビル男爵と結婚しようと画策するが、手違いで出会った純粋な青年アルマンに惹かれていき......。


ストーリーは、勘違いから始まる三角関係からの難病モノみたいな、めっちゃベタなお話ではあるんですが、自己肯定感が低すぎて本当に愛してる人を遠ざけてしまう主人公マルグリットと良いやつすぎるイケメンのアルマン君とのくっつきそうになるとそれ以上の力で反発し合うようなもどかしい関係にムズムズして、なんだか久しぶりにこんだけシンプルな恋愛映画観たなとしみじみしてしまった。

ユーミン経由で名前だけ知ってたけど観るのは初だった、主人公マルグリット役のグレタ・ガルボさん。
笑わないクールな美貌がカッコいい!気品があり自分の芯を持つ強さがありつつ1人の弱い人間でもある彼女の、ある種ハチャメチャな惑いが一見淡々としたキャラの中に垣間見られて「なんでそーなるの!」と突っ込みながらもどんどん彼女を好きになっていってしまいました。
しかしまぁ、私はやっぱり純情な青年アルマンに共感してマルグリットにムカつく部分のが多かったですけど......。
あと咬ませ犬役の男爵がめっちゃ嫌味ったらしいんだけど、でもまぁ金のために言い寄られて捨てられる可哀想なキャラなので嫌な感じはしないのが好き。

好きなシーンは2人で田舎の村みたいなとこに逃避行するところと、そこでマルグリットの父親が出てくるところ。父親のあのギリギリの優しさが沁みる......。
そしてもちろんラストシーンは印象的。いい意味で昔の映画って感じで良かった。
青山

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