RIO

ストレイト・ストーリーのRIOのレビュー・感想・評価

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)
5.0
デビッド・リンチ監督
 「The Straight Story」

アメリカ アイオワ州ローレンス
アルヴィン・ストレイトは
76歳の兄に会うため一人で
トラクター時速8kmの旅に出る

「あいつと一緒に座って星を眺めたい  
昔にわしらがそうしていたように」

トラクターで560km離れた道を
ただひたすらに走る
ウィスコンシンまで続く道
とうもろこし畑がどこまでも広がっている
この真っ直ぐな道がかなりイイ
すこーんと抜けていく
免許持ってませんから自力です

周囲の声を振り払ってまで
行くのがなんか分かる

この旅は自分で行くことに
色々な思いが含まれてる
ローズとの会話も言葉少なで
無重力状態
とても好きな感覚です

他の作品でも感じる
デヴィッド・リンチ監督の
時間の切り取り方がすごく印象的

何度も鹿を轢いてしまう女性の
時間の速すぎる速度
家出娘の悩んでいる
止まってしまっているその瞬間
自分の若い時の過ぎていった時間

アルヴィンの言葉
残された一束の木の枝
可愛かった 
こういう別れ方好きです

10年間という隔たっていた兄との
時間すらも
星が瞬く間に埋められていく

静かなだけにアルヴィンの言葉に
耳を傾ける
時間が経ち意味が深められたその言葉
それもこの作品の魅力的なところ

時間軸が不思議で
シンプルでいてフワッと心に
広がりが生まれる
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