Tutu

愛と青春の旅だちのTutuのレビュー・感想・評価

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
3.8
海軍のパイロットを目指して士官候補生となる男の恋愛と友情の物語。

厳しい修練を通して育まれる友情、土地柄に由来する恋愛観等々を上手く主人公のキャラクターにミックスさせて、「青春」という言葉から容易に想像しやすいイベントを配置しつつ。特に重くもなくさっぱりとした後味。つまり観やすい映画。

原題と邦題があんまり違うので、自分が観ているのは本当にあの『愛と青春の旅だち』なのかな? とちょっと不安になったりして。でもラストシーンでこの邦題が実感としてぐっと心に入り込んでくる。この映画、まさに『愛と青春の旅だち』である。いい邦題付けたなあ。

人は「なに」に対して恋愛をするのか、という非常によいテーマを含む。容姿、性格、財力、社会的地位、全て揃ってれば言うことないけど、そんな完璧超人は滅多にいないから、どこかで取捨選択しなきゃいけないよね。

パイロットじゃなくなったから振る、っていうのは一方的に責められるべき行為ではないと思うんだけど、でもこれ青春映画なので、「ひどい女」の一言で断罪するのも大いにアリだと思う。これに限らず、劇中で起こるあらゆるイベントに対して「まあしょうがないんじゃない?」みたいな達観した奴が出てこないからこそ、どストレートな青春映画としてすんなり受け入れられるのだろう。

軍人ものでよく見る歌いながら行進するあのシーン、どうしてもフルメタル・ジャケットを思い出してしまう。やっぱりハートマン軍曹は強烈だったなあ。微笑みデブ二等兵の姿を探したけど、それっぽいのはいなかった。

最初は主人公のロン毛が「どっかで見た顔だなあ」みたいな感じでまったく思い出せず、坊主になったら「あ、リチャード・ギアだ」と。髪長いのあんまり似合ってないなあ。それでもカッコイイんだけど。
Tutu

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