抹茶マラカス

愛と青春の旅だちの抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
2.0
あらゆる差別、暴力、レイシズムが温存された軍隊での鍛錬の日々をこれでもかと肯定的に描く作品だと思ってしまった。
酷い差別発言、暴力、人格否定、洗脳に近い行動を繰り返すフォーリー軍曹とは同じ土俵で戦って勝つのではなく、土俵が間違っていると思想的に敗北させなくてはいけない。これが師弟愛なら体罰も認める社会にしましょう
結局、冒頭の入隊時の恐怖心の植え付けの文句は変わっておらず若い子頑張れ的な視線を送られている。主人公にも恐怖支配の構造が内面化されただけの話だ。
居場所がない、だから軍隊でも頑張れるという話も別段生きてこないし、恋愛によって自分が別の居場所を見つける文脈にもなっていない。チーム感も醸成されることなく終わった。
リネットにも特に報いはなく、ディストピアもの、軍隊地獄もの、胸糞ものとしてなら理解できるが作り手が肯定的に締めていることがさっぱり分からない