抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価

抹茶マラカス

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ぼく モグラ キツネ 馬(2022年製作の映画)

4.3

家を探す旅。でも家って場所じゃないよね、な絆の話。ちょっとした冒険の旅をしているだけで互いを認め合っているだけでいい、って思える。暖かくて素敵な短編アニメ部門を制したのが納得である。
馬だよね、馬!ち
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クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.9

私はクラユカバよりクラメルカガリの方が好き。世界観は共通しながらも、シンプルな対立とバトルで楽しく見れる。セットアップに時間をかけすぎているきらいはあるが、それが済んでからは見事。地下坑道を使った移動>>続きを読む

クラユカバ(2023年製作の映画)

3.4

神田伯山による探偵が誘う地下のクラガリの世界。ミステリー軸ではあるが、世界の広がりをそこまで感じられなかった。人攫いの話の決着の付け方もイマイチ。大正ロマンの世界に坂本頼光先生は合うったらない

レト
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フローラとマックス(2023年製作の映画)

3.5

シング・ストリートのジョン・カーニー監督作。
劇中で言及される「アリー/スター誕生」というか「その源流のスタァ誕生からの流れを汲んでいる作家といえるだろう。
今回も音楽を通しての関係性や自己の再建がテ
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ラック 幸運をさがす旅(2022年製作の映画)

3.3

とにかく不運な女の子サムが幸運を求めて幸運の国や不運の国を旅する感じ。
あまりにも可哀想なぐらいの不運の生活を見せられて可哀想だな、とはなるのだが一瞬手に入れたコインのおかげで幸運に恵まれてからはなん
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.2

平次と和葉のラブコメを軸に、怪盗キッドも絡んでの函館観光旅行である。まあとにかくサプライズによって青山剛昌ワールドを展開させること自体のインパクトは大きいのだが、映画単体として見ると全く何も達成されな>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.1

どんどんどんどん実はこうでした!この人はこうでした!が続きに続いて興味を失ってしまう。もともとのスパイアクションとしての面白さがそんなに無いから話が今どこでどうなっているのかを見失わせたいとしか思えな>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

2視点から回想を入れる面倒な構成のせいで混乱はしやすいが、難解というほどでもない。ただ、メメントみたいに時間をいじくっても面白い作品だったり、時間を入れ替えるギミック自体が面白いのではなく話法として入>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

12歳から12年ごとに3つの点でつながるかつての想いびと。袖触り合うも多生の縁なら、その縁を大切に、でも固執せずに生きていこうぜなラブストーリー。基本人の惚れた腫れたに興味がない上で、上手だなーとは思>>続きを読む

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(2013年製作の映画)

2.7

なんとまあ。
自衛隊全面協力だと思うが、舞鶴港でのイージス艦一般公開の最中に起きた左手だけの死体。スパイが紛れ込んだポリティカルサスペンスの要素と胴体側が見つかった京都・大阪方面の話とで、少年探偵団、
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.7

見たい見たいと思いつつ見れていないドラマ「チェルノブイリ」の監督による映画と聞いて。
人類の希望のもと、木星の果てで単独ミッションに挑むSF巨編!…ではなく、単独ミッション中もテクノロジーの進歩によっ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.2

なんか工場で困ってる感じのアダム・サンドラーを描いたアバンタイトルは興味を惹かれるものであったが、姉たちが入れ替わり立ち替わり電話をかけて拘束してくるのがピークでテレフォンセックスの相手からの怒涛の脅>>続きを読む

拳銃残酷物語(1964年製作の映画)

3.8

府中の競馬場から現金1億2000万円を輸送する車を強奪するケイパーもの、からの。現金輸送車を襲うシーンの鮮やかさはかなりの手腕で、そこからハードボイルドに裏切りが裏切りを呼ぶ展開は、雑に殺しすぎてる感>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

4.1

666は悪魔の数字。新作のホラーは怖いので映画館ではみれませんが、名作と名高い過去の作品を映画館で見る機会ならば喜んで。
悪魔の子、ダミアンの周りの人々が次々死んでいくんだが殺人鬼モノでもないので彼は
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.0

オッペンハイマーの予習に選んだが、見事に安い再現VTRを見せられながらアインシュタインとナチスの話に終始した。
原爆に関係する話はラスト20分ほどぐらいにならないと出てこないので兵器と科学、生み出して
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処刑人(1999年製作の映画)

3.5

ビジランテというべきか、ダークヒーローというべきか。ウィレム・デフォーの存在によってただの悪党たちの映画ではなく何が正義なのか探究しようとする試みが垣間見えた。
探偵というのは常に批評家で怪盗こそが芸
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映画おしりたんてい なんでもかいけつ倶楽部 対 かいとうU(2024年製作の映画)

3.5

映画おしりたんていさらば愛しき相棒よ、の併映。
小林少年的なポジションの探偵の相棒ブラウンが仲間たちとなんでもかいけつ倶楽部として怪盗Uの狙ったと思われる漫画家ようほうか先生のサイン色紙を守る戦いを繰
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映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ(2024年製作の映画)

3.6

子ども向けの書籍として大人気のおしりたんてい映画。これまで以上にあそびのギミックを減らしてストーリーを重視してきた。しっかり子ども向けながら、ミステリとしてもちゃんとしていれば舞台の派手さも作りつつ、>>続きを読む

ミニオンの月世界(2024年製作の映画)

4.0

FLYの併映短編にして、怪盗グルーの月泥棒のベクターの後日談に。月にきてしまったベクターがあの手この手で脱出を企むが…。
スラップスティックに近いものだったはずが、もはや不条理コメディに近づきつつある
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FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

4.2

イルミネーションがドリームワークスに本気で喧嘩売ってるのにめっちゃ質が高くて完璧に打ちのめしたのでは?となってしまう作品。クルードさんちやチキンランを横目に見ながら、渡り鳥の持つ可能性のアクションをき>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

一大叙事詩を目の当たりに出来ているという実感がある。圧倒的な砂の惑星の規模感の中で、シャラメが救世主になっていくことを目撃する。1作目より見せ場も増えて巻くとこは巻いた感じでドゥニもかなり仕上げてきた>>続きを読む

Waterman(原題)(2021年製作の映画)

4.0

正直自分に無かった視点をたくさんくれた作品だ。
ネイティヴハワイアンであるデューク・カハナモクはアメリカの島から当時の水泳の世界記録を容易く破り、懐疑の目を打ち破ってオリンピックのゴールドメダリストに
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チキンラン(2000年製作の映画)

4.0

FLYが鳥が移民なんだし、鳥が新天地を求める作品は参考になるかなーと思ったら想定以上に大脱走だった。あとアードマンだと思ってたらドリームワークスも噛んでたらしい。ますますイルミネーションは越えなくては>>続きを読む

映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ(2021年製作の映画)

3.2

デザインを変更して2Dアニメになり、ボイスキャストも一新して新しい文化を作っていこうという意気込みのトーマス。
ただ、その変更を踏まえてのアニメ的な飛躍(飛び上がって逆向きになる方向転換だったり)を持
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

4.2

音楽映画、最近は天才の苦悩とかそういう系が多い印象だった中で見事に根源的な楽しさと上達に対しての動機づけをしていた印象。その上であらかじめ日記と絵本が重なったり、構成上のうまさも見せてきていてかなり満>>続きを読む

Ninety-Five Senses(原題)(2023年製作の映画)

3.0

おそらくは死刑囚の老人が人生を回顧している。多様なアニメーションの手法で紡がれる人生は色とりどりだが、いかんせん英語字幕すらついてなかったもので聞き取りが難しかった。何言ってるのかは半分以上分かってな>>続きを読む

映画ざんねんないきもの事典(2022年製作の映画)

2.9

生き物の残念な習性を扱った知育的な3本の短編のオムニバス。
1話目のオーストラリア編が興味をそそるアニメーションで無ければ、2話目が対象年齢を誤解したくなるほどつまらないギャグの羅列を行う紙兎ロペのク
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人数の町(2020年製作の映画)

3.0

衣食住を保証される代わりに全体の一部となることを求められる町。現代社会で居場所がなくなった人に対して居場所を提供するという意義とセーフティネットとしての機能が高すぎるので、そこから抜け出さないといけな>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

2.5

うーん。ウェス・アンダーソンってもう中身要らなくなってない?この作品の意図はなんなんだと思って虚無の40分。優れた短編作品を見せて貰えてるアカデミー賞の候補たちの中で個人的には確実にレベルの落ちる作品>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

今回のアカデミー作品賞候補作の中では1番かな?
売れない黒人作家が黒人らしい物語を試しに書いてみたら評価されてしまった、という感じで黒人社会を消費しようとする白人社会への皮肉ではある。ただ、主人公のエ
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映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ(2021年製作の映画)

3.7

おしりたんていがスフーレ島の宝くじ「そらのみちしるべ」を守る!探偵と怪盗が相対した時、それはルパン対ホームズでも、キッド対コナンでも構わないが探偵は常に後手だ。盗まれないと話が進まないから仕方ない。>>続きを読む

Invincible(原題)(2022年製作の映画)

3.7

フランス語映画で英語字幕なので間違ってたら申し訳ない。カナダ製作なのでフランス語のようだ。

マークという少年はおそらく週末だけ家に帰り、基本はユースセンターのようなところで暮らしている。どうしてもそ
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コン・エアー(1997年製作の映画)

3.6

酔っ払いから妻を守ろうとして殺しちゃったニコラス・ケイジがお勤めを終えて娑婆に戻る飛行機がハイジャックされてしまう。いや、そんな重要な囚人たちを軽めの釈放のやつと同じ輸送機なのかよ、みたいな雑なツッコ>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

ある一定の死体に対する法廷ムービーとしての深みを持ちつつ、事件自体の真相、真実などまるで興味がないかのようである。どうであるか、ではなくどう見るか、という「解釈」という概念それ自体を映画化したかのよう>>続きを読む

黄金の棺(1966年製作の映画)

3.9

南北戦争終結後に南 南軍の再興を狙って現金強奪した一家。軍人の死体を運ぶという体で女を雇って未亡人に扮させて、棺に金を入れて運んでいる。
現金強奪をする川でのシーンは潤ってるけど湿ってはない、西部劇に
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オールド(2021年製作の映画)

3.7

やたら歳取る浜辺の話。子どもは成長し、大人は老化し、続々と死を迎える。
時間の有限性を示しながら、時間に伴って起こる「成長」という概念が身体的成長と精神的成長が異なることを描いている。
この浜辺がどう
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