バナナ

愛と青春の旅だちのバナナのレビュー・感想・評価

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
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ただの恋愛映画と思ってナメてました。
すんません。めちゃ良かったです。

嘘はついちゃいかんが、あの嘘がなければ親友くんは自分の気持ちに正直に向き合う事はなかっただろう。
親友くんがあの結末を迎える事がなければ、マヨネーズは心変わりする事なく彼女を捨てていただろう。
一応はハッピーエンディングかもしれんが手放しに喜べる結末ではないところがなんとも言い難い気持ちにさせられる。
皆それぞれ幸せになりたかっただけなのにね。
ただのラブストーリーでも、ただのハッピーエンディングでもなく、しっかり練られたサブテキストに引き込まれて、考えさせられた。

シーガーがかわいい。最初ヒロインなのかと思った。もうちょいフォーカスして欲しかったな。
あと幼少期の回想が冒頭にしかないけど、これもどうにかならんかったのか。主人公の抱えるトラウマであり物語上重要なファクターだろうに扱い下手くそ。
ここを上手く絡める事ができていれば私的に不動の名作たりえたかもしれない。惜しい。


緊急事態宣言明けで街は賑わいつつあるが、映画館はというとガラ空きでむしろこっちのが安全なんじゃないかとすら思った。数少ないお客も節度ある映画ファンのお一人様ばかり。
オマケに新作は公開延期だらけで、スクリーンをもて余したシネコンが苦肉の策で旧作を流しまくっている。シネコンの大スクリーンとゆったりシートで名作を楽しめる機会は滅多にないし、しかも面白いことが保証されている作品ばかり。
TOHOなんてベン・ハーやってるよ。この先一生、映画館で見れる機会はないでしょう。
映画業界は苦境に立たされているが、映画ファンにとってこれはまたとない絶好のチャンスだし、微力ながら劇場を応援することにも繋がる。
何より劇場のデカイ画面と音で楽しむ映画はやっぱり最高。PCの画面では映画を見た内に入らない。

映画館は安全です。映画を観に行きましょう。