久しぶりに映画館のでかいスクリーンで観た映画がこれでよかった、だってこの映画にはわたしが映画の中にみたいもののすべてがあったから 「お互い何が見えているかわからないとしたら、どうやってそれを教えあうの？」本当そうだね、私たちは同じ地球にいるけど同じ世界を見ているわけじゃない、今ここにいる私の身体を通してしか私は世界を見ることができない ヤンヤンは誰よりも早くそれに、人間の根本にある孤独に気づいた、きみだけが真実だよ きみの周りの大人たちはみんなそれを忘れてるかまだ気づいていなくていろんな現実に振り回されて馬鹿みたいでしょう、でも目を閉じていても何も見えないから私たちは無理やりでも目を開けて目の前の世界と折り合いをつけて生きてる 夢には敵わないけど、現実のその美しさも知ってる きみの目を通してうつる世界の表か裏かどこかがきっと美しいことを祈る イッセー尾形もすごくよかった これがエドワードヤンの最後の長編なのか、彼が最後にヤンヤンという光を残してくれて嬉しい 映画を誰かとみたいと思うことほとんど無いが、この先また人を好きになることがあったら一緒にみたい 人を好きになることはその人がどのように世界を見ているのか知りたくなることだと思う
20220813 目黒シネマ
20240501 早稲田松竹
