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ヤンヤン 夏の想い出のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)
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わたしの友だちのような作品 身体の中で命が芽吹いて四季のような一つのサイクルが過ぎ去っていくようだ そのままにしておけば全部忘れてしまうがそれでもいいと思える作品
「自分の運命は自分で掴め」っていう自己責任論のアンチテーゼに感じる。人生のままならなさと偶然。掴もうと手を伸ばすことによって失敗する姿や棚ぼたの姿。

高級料理よりもマック、乱入元カノ、友達の元カレと付き合う(人間関係が輪っかの連続みたいになる)、ブラインドを閉めて夜景が映る、ホテルの部屋でまごつく初々しさ、マジでこういうヤツいるわっていう隣の家の女友達を出すだけじゃなくてその家庭環境を描くこと(エンパシー)、熱海での青の時間、海辺での決断 そういう人生の瞬間があること 傷つく間も無く連続して何かが起きること(初恋地獄編みたいなトーンが塗り替えられていってホッとしました)不眠、眠ること、目覚めること
父親と元恋人が木漏れ日を浴びながらを歩く姿を遠くから撮っている場面、高校の修学旅行で京都に行ったことを思い出した。自分の場違い感と異様に綺麗な景色が虚しかった 実際映画を見ていてそういう気持ちになった

雑感
ヤンヤンのビジュアル、小学生の頃いつもニルヴァーナのTシャツ着てた(親に着させられてた)同級生を思い出します