火の玉ジョニー

怪談蛇女の火の玉ジョニーのレビュー・感想・評価

怪談蛇女(1968年製作の映画)
3.2
もはや誰も興味ないけどとりあえず「みんかい?」までのあいだに東映ジャンクフィルムを見ようシリーズ⑤

怪談映画の巨匠中川信夫御大の東映怪談
なんか新東宝時代の作品が強烈すぎて若干あっさりめの感は否めませんがオーソドックスな怪談です

弱者はとことん地主さまに虐げられて虫けらのように扱われる
化けてでてもやっぱり低姿勢
「若旦那さまかんにんしてださい」
って言われて怖いか?これ…
「わかったからあっち帰れ!!」で終了じゃね?

娘(たぶん主人公)の追い詰められ方が一番かわいそうな気はしたけどこの作品でインパクトが強いのは開始そうそうに地主馬車との事故が元で亡くなる父親役西村晃さんの幽霊
「ダンナ〜ダンナ〜借金は返します〜」
やっぱ「わかったからあっち帰れ!」だよ

それと山城新伍さん演じるすけべ若旦那の嫁になる加賀雪絵さんが蛇女になるシーンも見せ場なのか

山城新伍さんはいやらしいとっつぁん坊やが似合うけど実はこの作品で一番おいしいのは恨みと直接関係ない嫁の加賀雪絵さんかも
ジャケ写にもなってるし(笑)

さすが中川信夫御大のラストシーンが美しくてちょっと名作「東海道四谷怪談」を彷彿とさせる出来

娘の希薄な存在感も含めてあっさり味だったのがグッと引き締まった気がする
これで怪談を見た!!って気になったよ
中川信夫監督侮れず