津軽系こけし

プロメテウスの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
3.7
神様に会いに行ったら脳筋でした


👽エイリアン前日譚
👽リドスコ監督作
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良くも悪くもリドスコ(リドリースコット監督)らしい、人間の醜さと美しさのコントラストを利かせた人間讃美映画。

続編だからといって「初代エイリアン」みたいなギーガー風味の不気味ホラーテイストではない。どちらかと言えば「オデッセイ」をゲテモノアクションにしたみたいな映画でした。肩透かし感は否めないが、最後のファンサは流石は初代の監督と言わざるを得ない。

アンドロイドの無垢さと、それを裏打ちする人間の傲慢さで争いが起こるのだが、いざ求めてた存在は自分らの愚かさをまさに体現したような脳筋で、結局のところ人間が理想とする都合の良い神なんてどこにもいなかったなんて話。
しかし、求めていない結末に打ちひしがれようとも探求する心こそが、過程こそが人間の美徳なんだよ…うんにゃらかんにゃら


エイリアンシリーズの一つのテーマであるアンドロイドと人間の関係、本作ではここが軸となっており、エイリアン勢力はそのテーマを補足するための一要素に過ぎない。
知識に対して真摯に向き合うマイケルファスベンダーがある一方、人間は傲慢で自分たちのことしか考えていないという対比。しかし創造主のおじいちゃんの理想が破壊され、全てを失った時にはじめて主人公の提案を受け入れる。合理性のない「信じる」という判断を受け入れることで、ここで初めて彼は人間になった。

あれ、これってブレードランナー??


でも情報を詰め込みすぎだし、処理もうまくできてない印象。
アンドロイドの行動と、主人公の結びつきが裏打ちする非合理賛美をしたいのはわかるが、頑張ればもっと感動的な展開にもなりえたのに、スターウォーズみたいな男の子テンションをしようとして、逆にセンセーショナルなテーマを潰してしまってる。このテーマならもっと静かな作風の方がよかったくね?

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👽まとめ👽
テーマはいいけど話がダメなタイプの映画。これは意味不明って観客に言われる理由もよくわかる。
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