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プロメテウスのバロウズのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
3.2
「悪の法則」と同様、リドリースコットの暗黒面が前面に押し出された珍作。

冒頭、とても地球上とは思えない雄大で美しい大自然には圧倒されるが、突然白ハゲマッチョが毒を飲んでドロドロに溶解し自らのDNAを水中にばら撒く。
よくわからんがどうやらこれが人類の起源らしい。おそらくこの時点で大半の観客は置いてけぼりを食らう。

その後も登場人物(特にマイケルファスベンダー)の不可解な行動や辻褄の合わない展開が盛りだくさん。
突っ込みどころを挙げれば100個ぐらいあるんだけど(それでもエイリアンコヴェナントよりはマシか)、個人的に何故か嫌いになれない、妙に中毒性がある作品。

世にも悪趣味な帝王切開シーンには度肝を抜かれたし、巨大イカと白ハゲマッチョの取っ組み合いはあまりのシュールさに笑いさえ込み上げてくる。

ただ「人類の起源」だの大層な宣伝の割には随分とこじんまりとしたお話でした。
100億以上掛けてこんな珍作を撮ったリドリースコットの正気を疑ってしまいますが、その後「オデッセイ」や「ゲティ家の身代金」など良作も作り上げるあたり、やはり只者ではないなと実感。


軽くネタバレ

これは映画を観た誰もが思う事だろうが、あのクロワッサン型の巨大宇宙船が転がるシーン、横に逃げればいいのにわざわざ縦方向に逃げて案の定下敷きになるシャーリーズセロンはこの映画で一番愚かだと思いました。
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