みました系の人

太陽の帝国のみました系の人のネタバレレビュー・内容・結末

太陽の帝国(1987年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

言葉にならない感動を得た!
クリスチャンベールの演技がとにかく素晴らしく、少年の目を通して描く戦争の在り方が悲惨でありながら美しい
立ち位置的に日本軍は敵役となるのだろうが必要以上に残忍に描かれておらず、敵味方という印象が薄いのは子供目線の作品ならでは
生き延びることが勝利だという台詞が作中にあったが、まさに登場人物は誰もが必死に生きようとしている
そんな中で唯一死に向かうと言える日本軍パイロットを送り出すシーンの美しいこと…
少年の聖歌により国籍を越えて束の間人々の心が(視聴者さえ)一つになる瞬間に圧倒された

主人公ジェイミーが世間知らずのボンボンからイモ一個のために何でもする少年へ成長していく一方で、やっぱり子供だと思わせるシーンの配置が憎い
彼を強かに育てたのはベイシー(マルコヴィッチ)だけど、ベイシーを信じる姿こそ無垢で愚かな子供らしさに満ちていて心地よいアンバランスさを生み出している
とにかくクリスチャンベールが素晴らしい
怖いくらいにリアルな存在だった