Arlecchino

4デイズのArlecchinoのレビュー・感想・評価

4デイズ(2010年製作の映画)
3.2
テロリストに爆弾の場所を自白させるためにどうするか、という話。
数千万人を救うためなら小数の無垢な女子供を殺してもいいのか?難しい問題を突き付けてきます。トロッコ問題というやつですね。

最初から謎の超大物として出てくるH(サミュエル・L・ジャクソン)、CIA経由でFBIに圧力をかけたり、陸軍の大将より上位の指揮権を持ったり、もはや大統領に準ずる扱い。たかが拷問のスペシャリストに対してその扱いが釈然としませんねえ。なつかしのキャリー=アン・モスは適役でハマってましたね。ガチの人道主義者でHの足を引っ張りつつ、動転してヤンガーに詰め寄ったりする不安定なFBI捜査官。あんなに脚が不格好とは知りませんでした(関係ない)。

ヤンガーの目的はテロを起こすことじゃなくて要求を呑ませることだったはずなのに、達成できずに「4個目はない」と言って自殺しちゃう。もし4個目の爆弾があるなら、まだ要求できたはず。なのに結局テロは起って数百万人は死んじゃうってことで、なんだか納得のいかない結末でしたので、あんまり高評価とは言えませんね。しょうがないのかな。

と思っていたら、4つ目の爆弾が出てこない(最終シーンがない)バージョンもあるそうですね。4つ目があったのかなかったのか不明のまま終わるのか。4つ目がない方がヤンガーの自殺にも理屈がつく、とはいうものの4つ目の可能性はゼロじゃない。スペシャリストHの予想は果たして正しかったのか?そういった「開いた」エンディングの方が余韻があって逆説的にまとまりのある映画だったかも。短いバージョンを観た方は、それで満足したほうがいいかもしれません。
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