寂々兵

記憶の扉の寂々兵のレビュー・感想・評価

記憶の扉(1994年製作の映画)
4.2
尋問を通して浮かび上がってくる大作家を騙った男の半生と、大嵐の警察署で起こる奇怪な現象。雨の夜の密室という視覚的にパーフェクトな空間、不安を煽るギミックの数々、ドパルデューとポランスキー(ノリノリ)による地に足のつかないカフカ的問答。最高に面白い。男が自身のルーツをひも解く前哨として森林を疾走するOPはロベール・アンリコの『ふくろうの河』感。「ありがとう、署長。お見事でした」こんな題材でもトルナトーレは優しい。泣ける。大傑作。
寂々兵

寂々兵