スタンダード

なまいきシャルロットのスタンダードのレビュー・感想・評価

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)
4.0
【音色】


『なまいきシャルロット』
と言うよりは、
『むきりょくシャルロット』
の方が正しいかもしれません。


シャルロットは
学校で流れていた🎹の音色に、
強く惹かれます。


生き生きとした表情で
"音色"を奏でる天才少女の表情は、

"寝入ろ"うかと言わんばかりの
シャルロットの無気力な表情との、

凄まじい対比となっています。


【ブルックリン】


映画『ブルックリン』にて、

アイルランド🇮🇪から
ブルックリンへ上京し、
大人の女性へと成長したエイリシュ。


彼女は都会への憧れではなく、
出稼ぎのために上京しました。


一方シャルロットの場合、
生活に困窮している訳でもなく、
自由への渇望から旅を望みます。


【たかが世界の終わり】


映画『たかが世界の終わり』にて、

主人公ルイは自分の死期を悟るまで、
家に帰ろうとはしませんでした。


シャルロットも
ルイも
カツオもそうですが、
彼らの家族はみな否定から入ります。


【サザエさん】


カツオは確かに生意気小僧寿司ですが、
たまに知的な言動も吐きます。


それでも基本、
『生意気は否定しておけばいい』
という理念の元、
家族は言動を肯定しません。


そりゃ"ヒス"も起こしますわ。


【家出】


話は『ブルックリン』に戻ります。

人間は都合の良い生き物で、
エイリシュを否定してきた人間も
彼女が魅力的になったと見るや、
一時帰郷した彼女を
即引き止めにかかります。


シャルロットが
『田舎から出ていくべきか否か?』
その判断基準は様々です。


一つの判断基準としては、
『その土地に大切な人が存在するか?』
があると思います。


エイリシュには大切な人がいる。
ルイにも大切な人がいた。
シャルロットにも大切な人がいる。


カツオ、お前はいずれ家を出ろ。