坂口安吾原作による桜が綺麗でもあり、恐ろしくもある時代劇。
タイトルだけ観ると恋愛映画?と誤解されがちなヒステリックな一作。
舞台は平安時代。
山を旅する都暮らしの夫婦だったが、山賊に襲われる。
物取りだけが目的だった山賊だが、余りの美しさに心奪われ、女の夫等を殺害し、強引に女を 妻とする。
しかし女はとても我儘で、挙げ句の果てには生首を収集し始める…
タイトルからして恋愛映画かと思いきや、とんでもなく怖いホラーテイストの一作だった。
とにかく岩下志麻史上最も悪いと言っても過言ではない役柄。
そして、それを静かに演じ切る岩下志麻が凄い。
何ともファンタジーで綺麗な絵が特徴な一作だが、ひきづる怖さを持っている。
果たして、女は後天的にこのような趣味を持ってしまったのか、そもそもなのか…クセになる映画だった。