ちぇりー

クレイマー、クレイマーのちぇりーのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.0
パパもつらい。ママもつらい。子供もつらい。

本作で「ウーマンリブ」という言葉を知った。40年前にアメリカで制作された映画ということですが、今の日本に結構刺さるテーマなのではないでしょうか。

「文句を言わないから不満はないと思った、出て行くとは思わなかった」という典型的なパターン。単なるお互いの気持ちの擦れ違い。

裁判のシーンは、かつて愛を語り合った夫婦同士が憎しみ合うような展開になって心苦しいものがあったが、向かい合って本音をぶつけ合うのはよかった。
両者の弁護士ともに嫌な奴だ。笑

さて。他のレビューを見てみると、やはり妻を批判する声がチラホラ見かける。これも、まだまだ現在の課題だろうか(父目線で物語は進むのでそう映えてしまう部分はあるかもしれない)。

妻は身勝手っちゃ身勝手だが、気持ちは分かってしまう。ママだって、何もかも投げ出して家出したくなる時がある。自分って何者なのって分からなくなるんだろうな。
「自信を失くした」はリアルタイムで離婚調停中の友人も吐いた言葉なので色々思うところもあり。
 
また、男性も〝男性=働く〟という世間からのプレッシャーによって精神的に辛くなっても人に頼れない末、自殺してしまうケースももはや珍しくなくなってしまった現代。
最悪なタイミングでの離婚。会社からも理解されない。父親も辛いのだ。

父親が家事してもいいし、母親がバリバリ働いたっていい。育児は両親がやるもの。メッセージ性のある映画作品でした。