ブラックユーモアホフマン

他人の顔のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

他人の顔(1966年製作の映画)
4.4
僕もこの顔で頑張って生きていこうと思いました。

恥ずかしながら初・勅使河原。想像通りヤバい映画でした。

仲代達矢が演じる主人公の傷を負った素顔を如何にハッキリ見せないかという演出の様々なアプローチはホラー的。レントゲンから始まった時マジでヤバいと思った。

包帯でぐるぐる巻きの顔って古典的すぎて最近観ないけどやっぱり怖いなと思った。ユニバーサルやハマーの透明人間やミイラ男も、見返してみたらちゃんと怖いんだろうな。観てみよう。

終盤の展開も相まって先日観たクリスティアン・ペッツォルトの『あの日のように抱きしめて』は想起せざるを得なかった。しかし、顔が変わっても女は気づくが男は気がつかない。

そして武満徹(と奥山重之助)の音。終盤の超現実的な表現。ブニュエルの影響があると聞いて納得。いやーヤバい。とても一度では咀嚼しきれない。

【一番好きなシーン】
・その姿自体は一度も出てこず、聞き耳を立てているという医者の妻の声が、なぜか一度だけ聴こえるところ。
・市原悦子やっぱりヤバい。二度出てくる、エレベーターが閉まる時の顔。