前田いっちょ

病院坂の首縊りの家の前田いっちょのレビュー・感想・評価

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)
4.0
石坂浩二版金田一の作品群もこれが最後。今までのと比べて少しモダンさが漂う。
金田一シリーズと言えば登場人物の家系図がややこしいのが特徴だが、本作品は群を抜いて複雑。一回では理解できない。そこが惜しい。
後殺人描写が一番グロい。少し覚悟した方がいいです。僕は目を瞑りました。

演技力で言えばベテランであるピーターや、桜田淳子の歌手な顔からは想像もつかない素晴らしい演技。また若き日の超超イケメン草刈正雄がとにかくカッコ良すぎる。
そしてウルトラマンのキャップや仮面ライダーのおやっさん役でも有名な小林昭二は、今までの作品に於いて刑事役で多く出演するも、今回はセリフが殆どない役目。だがしかしセリフが無ければ無いほど演技力が物を言う訳で、この作品の小林昭二の最後のシーンは忘れられない名演技だと思う。
最後に、原作者である横溝正史が特別ゲストで出演しており、作品のラストに発する「古いものは廃れまた新しいものが作られる」的なセリフが、コロナ禍である現代に妙に重なり印象的だった。
前田いっちょ

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