Sankawa7

病院坂の首縊りの家のSankawa7のレビュー・感想・評価

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)
3.9
Netflixにて

これも前4作を見た後に改めて見ると、これまでと違った面が評価できる

これまでは話題作りのような桜田淳子の一人二役や血脈が複雑化しているプロットのため、ついていくのが難しくあまり評価できなかった

またタイトルにインパクトがありすぎホラー映画のような響きであったため、また女性たちが悲惨すぎたため、あまり好きではなかった作品だった

最初と最後に横溝正史本人が登場し、棒読みながらもセリフも長くしっかりと金田一を作者本人が語っている
親戚のムスメ役に薬学生役で前作主演の中井貴恵を使っている
最後は草刈正雄も登場させるなど、遊び心もあり小洒落れている

シリーズ初めてジャズの演奏でオープニングクレジットが始まる、一瞬、映画を間違ったのではないかと思う位の違和感だが、よく見ると非常にかっこいい‼️

ストーリーは「女王蜂」の反転のような話、男のあらゆる欲望、支配欲、権力欲、性欲などにより、女性の人生がことごとく翻弄されていくが、最後はそんな女性に男性たちがしてやられる、ある意味痛快な話かもしれない

佐久間良子がとても複雑なバックグラウンドを持った病院の🏥理事長役
その娘と夫が外で産ませた娘を桜田淳子が一人二役、由香利と小雪、小雪のほうの母親が前作からの萩尾みどり、兄があおい輝彦
カギを握る写真屋に小沢栄太郎、写真屋の店員でなぜか金田一のアシスタントになってしまう黙太郎に草刈正雄、
バンドメンバーにピータら豪華キャスト

しっかりと三木のり平とペアのあのおばちゃんも出てくる、しかも前作で伴淳三郎の妹役を演じていたおばさんも食堂のおばさん役で登場、これは続けて見れないとわからないと思うが変なところでツボった

白石佳代子の怪演には度肝を抜かれた、あのシーンだけホラーより怖かった😱

そしてお決まりの等々力警部はやはり金田一と初対面設定のパラレルワールド

見立ての死体の首と風鈴から衝撃的に始まる
その後はすべて一貫した理由にて殺人が展開される

桜田淳子が非常に重要な役割をうまく演じており、またジャズのボーカルをやっているシーンがあるがとてつもない歌唱力にびっくり、あたりまえか😅

ちょっと暑苦しいし世界観にも合っているとも思えないが、草刈正雄が個人的には良かった‼️
まだ初々しくセリフのキレも良くないが
後年、CVでポアロを演じるような役者さんになったことを思うと感無量

なんとなく草刈で続編ができるのかと思っていたら、まさかの鹿賀丈史へのスイッチで「悪霊島」へ💦

平成版犬神家が作られるまで、一旦石坂版金田一はこちらで終了

記念作品にしては少し地味だと思っていたがこれは5作目に持ってこないと理解不能だった作品だと思われる
正しい選択だったかなぁと今では思う

女による勝手な男どもの成敗、これがこの作品のテーマだと私は理解
それを認めるかのように金田一も等々力警部も最後粋な計らいをする

4、5回見てようやく味が出てくる作品かもしれない
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