目を離せなかった。でもそれは、目を背けてはいけない、って気持ちが自分にあったからなんだと思う。いけないことじゃないけど、不純。
お願いだから二人で幸せになって、って望み続けた。でもそれは、自分や社会では二人のどちらかも幸せにしてあげられないからだ、って思ってしまっている自分がいるからだとも思う。ただのロマンス信者。
二人きりのオアシスを守って、純愛を貫いてと願った。貫けるだけの術をひたすら願った。どうしようもないことをそう認めることができないから。起きるはずのない奇跡ばかり自分は望んでしまっていて、結局、自分にできることを分かっていて、彼女の願望を少しだけ叶えてあげることに全力を振り絞ることができた主人公の方が、よっぽど大人だと思って自分のことが少し嫌いになった。
