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8人の女たちの346のレビュー・感想・評価

8人の女たち(2002年製作の映画)
3.8
今更ながら鑑賞。

今更ながらというのは、ちょうど思春期にフランソワ・オゾンブームが周りで起きてて、あまのじゃくな私めは、「オゾンとかちょっと」みたいな感じで、タラちゃんとPTAを熱く語ってやり過ごすという、もう、思い出すと恥ずかしくて仕方ない感じなのですが。

うん、もっと若いときに観ておけばよかったと思いました。それなら、もっと純粋に受け入れられたし、もしくは100%敵意で立ち向かえたのに。と。

今はもう分別のついた大人なので、良いとこも悪いとこも含めて受け入れられる自分がいて、この映画はそう観られることを望んでいるのだろうかと、少しだけ不安になったりします。


まだ、たくさんオゾン作品を観てないですが、彼の作家性は王道ありきなんじゃないだろうか?と、この映画を観て思ったりしました。まずは頭の中で王道のストーリーラインつくっておいて、それを後から、壊すことでイビツさを強調させてるんじゃないだろうかと思うぐらい、そのコントラストが印象的でした。まぁ、もともとこの作品は原作が戯曲ですしね。

例えば、綺麗な壺をつくっておいて、それを壊して映画にするのがオゾンで、壊れたカケラを繋ぎ合わせて綺麗な壺にするのがタランティーノみたいな。いや、ちがうか。

とりあえず、サニエちゃんと、べアールを観るだけでも自分にとって価値のある映画でした。あと、あの何とも言えないラストの余韻は、味わい深いものがありました。
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