YuukiImazu

バニシング・ポイントのYuukiImazuのレビュー・感想・評価

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)
4.0
久々に鑑賞。アメリカン・ニューシネマ。

冒頭、主人公コワルスキーが乗る車と黒い車とがすれ違う。その後、彼が乗るダッジ・チャレンジャーが画面から消失する場面はマジカルで、不思議な演出が印象深い。それから時間は遡り、ある賭けにのるコワルスキーが映される。そこから始まるアメリカ大陸横断の旅。唐突なフラッシュバックを織り交ぜながら淡々と描くんやけど、このうすら寒い演出は個人的に大好きや。

道中で反体制的な行動を取りながら迎える虚しいラストには、当時の混迷するアメリカの、どうにもならない空虚さが伝わる感じやね。車(存在)が『消失』するOPからクライマックスまでのコワルスキーの無謀なドライブもまた、空白の無意味な時間だと考えたら、ただただ悲しい余韻が残る。
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