バニシング・ポイントの作品情報・感想・評価

「バニシング・ポイント」に投稿された感想・評価

こく

こくの感想・評価

5.0
あのプライマル・スクリームが曲名やアルバムタイトルにしちゃう程の作品。納得です。

納車仕事なのに何故かスピードをキメ、ひたすらスピードを出し疾走する主人公コワルスキー。

『ザ・ドライバー』や『ドライブ』の様に、主人公がただ疾るだけで全てが伝わり成立する凄い映画だった。映画秘宝系ライターのニューシネマ崇拝とか関係なく、良い映画です。

意味ある台詞もなく、フラッシュバックでコワルスキーの過去がほのめかされるだけ。すぐに引退した凄腕の元レーサー。美人の彼女がいたけど死んでしまった。元警官でなんらかの事件に巻き込まれて辞職。

こんな主人公が水もなしで砕いたスピードを決めひたすら意味なく疾る。加速する事でしか生きられない。それも人生。

コワルスキーの消失点への疾走も、竹内結子の自死も誰も絶対に理解できないが、それが「確かに有り得る」と認識するだけで、世界は変わる。

皆さん、それぞれの場所でしぶとく長生きしましょう!

余談だか、この映画をモチーフにアルバムを作ったプライマル・スクリーム。ボビー・ギレスピーを筆頭に皆スピードやコカインやMDMAを愛用しまくってましたが、今もなんとか元気にやってます。ロックンロール!

あれは91年か? 川崎クラブチッタ控室のテーブルに描かれた無数の白い平行線。ロックンロールのでたらめなお伽話です!

08年、フジロック。清志郎の代わりにホワイトステージトリを務めた彼らは、苗場のホテル男子トイレで、「サンキュー」と言っただけの僕にハグした。手も洗ってない僕に。ロックンロールの真実。
ロッキーが出した答えとは違うアメリカン・ニューシネマのもうひとつの答え
【バニシングポイント】
些細な事で警察に追っかけ回され、
ひたすらに車で走り続ける物語。
走り続けるその様は彼自身の人生を映し出してる。

観た後、スーパーソウルのやるせない気持ちが伝わってくる。

人生には軸が必要だ。
木々に根っこがあるように。
すずり

すずりの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

【概略】
コロラド州デンバー。
自動車運送のドライバーを請け負う、元レーサーのコワルスキーは、ある日気まぐれで薬の売人ととある賭けをする。
それは、『翌日の午後3時までにサンフランシスコに付けるか』という走り屋的な賭けだった。
最初こそ他愛のない賭けに興じる彼だったが、暴走を続けるうちにハイウェイで警察に後を追われるようになると、次第に事態は大きくなっていく...

というお話。

・・・

【講評】
『デス・プルーフ』で死ぬほどリスペクトされていたので、順序が逆になってしまったがようやく鑑賞。

本作はもう何と言っても、
その唖然としてしまう結末が凄い。
「えっ??」と思わず声が出てしまうほどに唐突に迎える不条理なエンディングは、まさに監督の狙う所だったのだろうか。

1971年に公開された本作はアメリカンニューシネマに分類され、明らかに『俺たちに明日はない』といった先行作の影響を色濃く感じることができる。

本作(に代表されるアメリカンニューシネマ全般)は力を持たない、反体制主義の主人公が暴走を強めていき、最後には突然悲劇的な結末を迎えるという、ある種のテンプレートに沿っている。
このシナリオ構築に、朝鮮戦争からベトナム戦争に受け継がれる軍部の抱える矛盾への糾弾であったり、鬱屈としていた当時の世相の反映を観ることができる。

とりわけ本作では、主人公が多くを語る事はなく、ただ淡々と警察を弄び楽しんでいるかの様子を映し出している。
彼のその飄々とした様子と迫力のあるカーチェイスシーンの組み合わせによって、本作は余りある疾走感を演出しており、他のアメリカンニューシネマとも少しジャンルが違っている様子だ。

そして、個性豊かなキャラクター達が登場し、コワルスキーと関わり合う所も面白い。
ヘビの捕獲を生業とする老人。
反体制主義を打ち出す盲目の黒人DJ。
強盗目的のゲイカップル。
そして、何故か裸でスクーターにのる美女など。
いや、人種のるつぼか??
盲目黒人DJなどは分かりやすい"反体制"のメタファーでもあるが、小細工抜きにしても強烈なキャラクター達の会話劇が非常にユニークだった。

【総括】
アメリカの広大な土地をかっ飛ばす、クールな男のカーアクション映画。
その悲劇的な結末に、息を飲まずにはいられない
ゲルト

ゲルトの感想・評価

4.0
不条理への不服従
とてもクール
ゲイカップルのシーンは全部カットしても差し支えないと思うけど
三國

三國の感想・評価

-
やっぱりカリフォルニアか。笑
イージーライダー思い出した。

いけるところまでいくってこと。
いやあ。よかった? いいも悪いもない。なんで、そんなに急いでいるんだ? 約束したから。どうしてそんな無茶な約束を?
俗に言う走り屋ってのが、いまいち理解できなかった私ですが、あれも一個の反抗(=犯行?)なんでしょうか? 原爆ができちまった現代において、それを使わないのが逆行だと思ったら大間違い。むしろ敵に絡め取られるので、思う存分原爆で遊ぶことだ。文明なんてものは、いつの時代だってオモチャだった。そして、子どもは壊れるまで遊ばなければオモチャを手放さない。いや、オモチャを大事にしようという執心こそまともな大人のとば口なのだろう。オモチャが自分を壊してしまうことにヤキモキしてしまうみみっちさが、小市民的保身というべきだ?
コントロールは限界を見極めることから為るが、限界はいけるところまでいくことでしか見えない。消失点ーーそこへ、限界を見定めようなどという姑息な了見で至れよう筈もない。誰もが、命懸けでそれを見極めているのだ。いき過ぎることは所詮、釦のかけ違い。

警察も戦争も敵だ。奴らは俺らの目的を手段としてしか見ない。一瞬の燃焼を、軽蔑するどころか哀れんでくださる。くそくらえだ。走り屋ドライバーが事故って死んでも本望であるように、僕らも原爆で目一杯遊ぼうや。酒でも飲みながらーーでなくちゃ開発されるわけがなかったんだって。人類は、自分たちが遊び得ないものを決して発明したりしない。
orangeloop

orangeloopの感想・評価

4.3
デンバーからサンフランシスコまでを
70年型のダッジ・チャレンジャーで全速力で飛ばすコワルスキー
オートバイの警官が追いかける その後も警察がどんどん増える
DJスーパー・ソウルはコワルスキーと俺たちは盲目同士だと
警察からの情報をコワルスキーに流し始めた

砂漠の真ん中で会ったおじいちゃんが
自分の影を見失わねえようにって言葉をくれた
コワルスキーは、走りながら雪国での恋人との思い出
とか色々と思い出してる…

向かう道は、力を尽くして入る狭き門への道

非常線を突破し、まるで門のように巨大な2台の
パワー・シャベルの間の先に自由な魂が天に舞いあがる‼

1971年アメリカではベトナム戦争停戦のデモ
悪の方位網を突破するコワルスキーに
アメリカの真の自由な魂を重ねてる…
日本では安保闘争 前年には三島由紀夫の死があった

アメリカのカッコ良さと悪さ
理由もなく急いでいるコワルスキーは
やみくもに走り続ける 政府に対する抗議なのだろうと思う

ちなみに「春にして君を想う」のゲイリの最期も同じで
白昼、忽然と消えてしまう
解き放たれる魂 二人とも荘厳な最期でした 
音楽いいね。

序盤しっかり観てなかったからか、なんで逃げてるのか分からず「コイツめちゃくちゃやってんな!」と笑ってしまった。
たまたま鉢合わせた一般人かわいそう。

でもこんくらい猛スピードで突っ走るの楽しそうだな~。
ゆ

ゆの感想・評価

4.0
ダッジチャレンジャーに乗り警察の追跡から逃れる男、コワルスキー。
警察無線を傍受してコワルスキーの逃走を手助けする盲目のラジオDJ、スーパーソウル。
視野の中にただ一つある見えない点(vanishing point)だけを見ようとしてひたすら疾走するコワルスキーについて、スーパーソウルは「俺と奴は盲人同士さ」「走ること、スピードこそ魂の自由だ」と語る。

同時期の『俺たちに明日はない』や『イージーライダー』と同様に、刹那的で悲劇的なラスト。
この『バニシング・ポイント』をリスペクトするタランティーノ『デス・プルーフ in グラインドハウス』の、爽快なカタルシスを与える結末とは対照的。
めちゃめちゃ男らしい映画。漢が正しいかな? 女の子嫌いそう(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
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